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2020/09/18

[ブログ]産めないけれど育てたい 不妊からの特別養子縁組へ

産めないけれど育てたい
不妊からの特別養子縁組へ
著者:池田麻里奈・池田紀行
結婚2年目、30歳(麻里奈さん)から不妊治療を開始したご夫妻が長い治療の末、特別養子縁組を決意。
44歳で特別養子縁組により赤ちゃんを授かり、現在、大変ながらも楽しく幸せいっぱいな育児に奮闘している様子がリアルに綴られている一冊。
私たち夫婦も「ちいさな大きなたからもの」を出版させていただきましたが、内容としては似て非なるもの。
養親として生母さんへの感謝や、子どもへの想い、団体や社会に対して思うこと(ネガティブな事ではなく)などに大きな差はなく、不妊治療をされたご経験から、特別養子縁組を新たな選択肢としてみなさんに正しく制度を知っていただきたいという想いや、子どものためにこれから先もっと特別養子縁組を広く受け入れてもらいたいという想いから自ら発信するというご決断にも共感できる部分が非常に多く、頷きながら読み進めました。
そんな根本的な想いの部分と違い、歩まれてきた道はその方々、ご夫婦それぞれ千差万別。
私たちの道はあくまで私たちだけの道なのです。
池田さんご夫妻が歩まれた道も当然、池田さんご夫妻だけの道。
多くの道標がある事で、これから同じ方向へ歩まれる方々の参考になる事は間違いなく、この道の先がどうなっているのか、ぼんやりとでも見えてくる事は大変心強く、一歩を踏み出すきっかけになるのではないでしょうか。
ここからは、似たような境遇の私が注目した点をピックアップしてお話ししたいと思います。
一つ目は、ご夫妻が長い不妊治療の中で死産を経験されている点。
このお話は読んでいて本当に辛い気持ちになりました。
麻里奈さんの言葉で「神様は乗り越えられない試練は与えないというが本当にそうか。」と綴っておられますが、非常に辛いお言葉です。
お二人がこの現実にどう向き合っているのか、本書に綴られていますが、そんなお二人だからこそ、たくさんの惜しみ無い愛をお子さんに注がれている事だと思いますし、同時にお子さんからの無限の愛がお二人を支えているのだと思います。
こうお話しすると批判もあるかもしれませんが、間違いなく、家族というのは双方向で支え合うものだと私は考えているので、子どもに救われたという事実をこれからも隠さず話したいと思っています。
もう一点は、旦那様(紀行さん)の綴られる正直な言葉の数々です。
不妊治療中の向き合い方、特別養子縁組への不安、子育てへの意識の変化。
男性に是非読んでほしい!と思いました😅
きっと紀行さんは正直なお人柄なんだろうなと、表紙の背中を見つめてしまいました。
今回、本書を読ませていただき、改めて数多くの経験談が語られる事の必要性を感じました。
特別養子縁組が身近に感じられるように、日本の社会で、「特別じゃない!」と叫ぶのではなく、自然な形で皆さんに受け入れられるように、語りかけたいと思いました。
&family..
千田真司

 

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