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2019/08/13
[ブログ]andfamily repo vol.6
andfamily repo vol.6
社会福祉法人NHK厚生文化事業団
福祉ビデオシリーズ
「新しい絆の作り方 特別養子縁組・里親入門」
監修 上鹿渡 和宏(早稲田大学教授)
萬屋 育子(NPO法人CAPNA理事長)
司会 サヘル・ローズ
「新しい絆の作り方 特別養子縁組・里親入門」のチーフディレクターである、猪瀬さんとのご縁で、このDVDをご紹介いただき、早速拝見させて頂きました。
2枚構成のDVDで1枚目は特別養子縁組、2枚目は里親と主題が分かれていて、今の日本における家庭養育優先原則の重要性が2枚のDVDを見るとよくわかります。
理屈ではなく、実体としてリアルに感じられるところに非常に価値があると思いました。
特別養子縁組と里親。
制度は違えど、助けを必要としている子どもにとっての重要なセーフティネットであることは間違いありません。
話を進める前に大前提として伝えておきたいことがあります。
時代は進み、変化し続けているという事。
そして日本は、私も含め、その手の変化に少し疎い部分があるように思います。
もし今、いまだに、特別養子縁組を人身売買だとか、血の繋がらない家庭で育つことが「かわいそうだ」とか、子どもを養子に出す親(特に母親を吊るし上げて)に対して、「無責任だ」とかおっしゃる方がいたなら、それは随分手前の議論に戻ってしまいます。
2017年に、国は「新しい家庭養育ビジョン」を打ち出し、特別養子縁組、里親について高い目標値を掲げました。施設養育ではなく家庭養育を優先することを明確にしています。
これまで世界から「社会的ネグレクト」と言われてきた日本もようやく動き出したといったところですが、スタート地点に立ったに過ぎません。
このDVDの里親編に出てくる、福岡や静岡は里親委託に非常に力を入れていて、成果も出てきています。
ですが、自治体によって取り組みへの温度差はかなりあるそうです。
どんな問題にも共通して言えることだと思いますが、国が目標を掲げたからといって、解決するはずもなく、やはり現場の方々の力が何より必要で、もっと言えば、私たち一人一人の意識が変わらなければ、何一つ変われないのだと思います。
私たち&family..としては、特別養子縁組によって縁を繋いだ、愛する我が子に出会い、この課題を少しでも良くできればと、微力ながら活動を始めました。
まずは知ってもらうことだと思っています。
これまで、主に特別養子縁組についての書籍のレビューや、関連する人物への取材等の記事を書かせていただきました。
どの書籍も、切り口や主となる対象は違えど、読めば特別養子縁組がどんなものか、なぜ必要とされているのか、背景にどんな問題を子が、親が、国が抱えているのか、理解できるものとなっていました。
このDVDも、当事者の経験をもとに構成されているため、リアルで且つ解りやすい、素晴らしい内容でした。
しかし、どんな書籍やDVD、催し物も、人の手に触れ、目に触れ、参加してもらわなければ、その物の存在意義、開催意義は薄れてしまいます。
私たちの活動も同様です。
より多くの方に特別養子縁組を知ってもらう、触れてもらう事を考えていかなければいけないですし、その機会を作っていくことが今後の課題です。
ぜひ多くの方にこちらのDVDを手に取り、ご覧いただけたら嬉しく思います。
下記の場所で“無料”貸し出しをしているそうです。
①NHK厚生文化事業団の福祉ビデオライブラリー
②全国の里親会支部
それでは、少しだけ内容に触れていきたいと思います。
特別養子縁組編のDVDでは、養子縁組家族のインタビュー、養子当事者とのクロストークが収録されていて、とてもリアルな内容となっている。
養親さんが「産んでくれたお母さんのことも家族のように感じる」と話す場面が
印象に残った。
養子に出すと決断する女性たちの背景として、経済的な問題を抱えていたり、支援者がいない事が多く、その多くは20代、10代ということも珍しくない。
苦境の中、それでも命を繋ぐことを選択し、産んでくれた感謝はもちろん、彼女たち自身の幸せを願わずにはいられない気持ちに、私たち夫婦も強く共感する。
子どものことは安心して任せてほしいし、勇気ある決断をしたことを誇りに思って、一歩前に進んでほしい。
決して罪悪感に負け、その後の人生を暗いものにしないでほしい。
何より子どものために。
養子当事者のクロストークでは、真実告知のこと、産みのお母さんへの想いについて深く話してくれている。
その中の一人に産みのお母さんに会ったという方がいた。
養子当事者の中には産みのお母さんに会ってみたいという方が少なくないようだが、私たち夫婦も、子どもがある年齢になり、会いたいと打ち明けてきたら、本人の意思を尊重したいと想っているし、必ず力になりたいと思っている。
その時、産みのお母さんが幸せに生活していてくれたら、嬉しい。と私は思う。
子どもの事を考えてあげられる余裕を持っていてほしいし、幸せな家庭を築いてくれていたら良いと思っている。
誰でも自分のルーツを知りたいと思うのは自然な事で、普段ルーツが明確な私のような人間はあまり意識もしていないが、もしも、自分のルーツがわからないとしたら。
何度か想像してみる。が、現実味がなく想像がつかない。
おそらく、心の深い部分にぽっかりと穴が空いているような感じだろうか。
普段はあまり表出しない傷のようなもので、何かネガティブな感情をきっかけにして、その傷から闇が吹き出すような。
その闇はきっと、自らを否定し、傷つけてしまう。全ての原因をその傷のせいにしてしまう。
産みの親に会ったからといって、その傷が癒されないかもしれない。
でも、その時のために私たちがいる。
あなたがどんなに傷ついても、あなたのことを心から愛している二人が、誰よりも近くに。
という想いで、今から、今後来るかもしれない未来を想像するのも、楽しみの一つ。
というと、少し不謹慎かもしれない。
特別養子縁組ということで、我が子も他の人と少し違う悩みを生まれながらに抱えているわけだが、親子で真剣に向き合い、笑顔で立ち向かうしかないと思っているので、どんなことも楽しみの一つにしていきたい。
「血の繋がりより強い、愛のつながり」
司会のサヘル・ローズさんの言葉
里親編もとても興味深い内容になっている。
ぜひご覧いただけたらと思います。
最近、「インスタントファミリー」という洋画を観ました。
アメリカの里親事情がコメディタッチで描かれていて、心温まるストーリーも魅力的な作品でした。
とっても観やすいので紹介させていただきました。
&family..
千田真司